アシステッドハッチング(孵化補助)について
卵の殻(透明帯)に穴をあけるて孵化しやすくする事をアシステッドハッチングといいます。1990年にCohenが報告して以来20年が経過し体外受精の技術として定着しています。
せっかく良い卵を移植しても着床しなければ意味がありません。着床するためには胚が孵化しないといけません。その孵化を助ける技術をアシステッドハッチングといいます。
あくまで胚の透明帯のみを処理して胚そのものには影響は及ぼしません。
孵化補助法が行われるのは以下のケースです。
- 高年齢症例(特に40歳以上)
- 凍結融解胚移植例
- 過去良好胚を移植しても妊娠しない場合
高年齢症例(特に40歳以上)のケース
高齢の場合は殻透明帯が硬くなる事があります。そのため孵化しにくくなると言われています。ただ最近では高齢の場合は妊娠率の改善は特にないとの報告が多いようです。
凍結融解胚移植例のケース
凍結後の卵の透明帯は硬くなると言われています。孵化補助の適応として最も選択されています。
過去良好胚を移植しても妊娠しない場合
良好胚を移植しても妊娠しない場合は孵化していない事も考え、これを行う事もあります。
いずれにしても自然の妊娠の場合は、こういう事は行われなくても妊娠しているため、本当に必要かどうかは正直わかりません。
ただ一つだけ言える事は、この操作の後で妊娠する人が多いことも事実です。
そのため、上記のケースでは行う事があります。
問題点としては一卵性双胎のリスクがあげられます。ハッチングの途中で胚が2個に分離して、その結果一卵性双胎が増えるという報告があります。一卵性双胎は二卵性双胎よりもリスクが高く注意が必要です。