当院では最新型の機種を導入しております。
少しでも多くの患者様の妊娠に繋げていきたいと考え、最新型のエンブリオスコープを本格導入致しました。
エンブリオスコープとは
エンブリオスコープとは胚の培養をタイムラプスで録画してより移植に好ましい胚を選別することが出来る、特殊な培養庫の事です。
受精の詳細や胚の分割などを細かく調べられるため、より妊娠しやすい胚を選別することが可能になります。
特に受精や胚発生に関しては、通常の培養庫では観察時間が限られているため詳しい観察が難しい場合もありますが、エンブリオスコープの場合は、連続撮影により容易に判別が出来ます。
特徴
継続的な観察による成績の向上
エンブリオスコープの大きなメリットの一つとして受精の際の詳細な観察が可能になります。通常の定点観察だと例えば朝の9時の時点でしか胚を観察しないため、その時点の情報しかわかりません。一方エンブリオスコープの場合にはタイムラプスで連続撮影するとことで受精の詳細な状況(前核の形成や極体放出等)がよく見えてきます。見落としや、見間違えないように、映像を巻き戻しをして、複数のスタッフで繰り返して見る事ができる事も大きなメリットです。
- 1PN
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これが1PNです。巻き戻しをしましたが、もう一つのPNは一度も出てこなくて、これは明らかに異常受精であることがわかります。
- 2PN
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これが2PNです。これは正常の受精です。妊娠するためにはこの様に中央に雌雄前核が揃う事が不可欠です。
培養環境の向上による成績の向上
培養庫に入れたまま胚の評価を行う事ができるため培養庫から出す事に伴う胚へのストレスがゼロになります。培養庫から出して観察する事を繰り返すと、それによりわずかな温度、酸素圧、PH、光への曝露がその後の胚の分割や胚の質へ大きな影響を及ぼす事が分かっています。培養環境を変えずに一定に保ち続ける事は胚にとって最も好ましい事になります。
動画で確認
患者さんにもipadなどで同じ動画を見せる事も可能となり、よりオープンな治療を行う事が可能になります。良い胚、悪い胚の動画を見せる事ができます。USBに入れて渡す事も可能です。
- 動画サンプル
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このような動画をご覧頂けます。
より良い胚が選べます
より妊娠しやすい胚を選ぶ事ができます。受精、分割など全てに渡り10分ごとに細かく撮影しており、かつ1つの胚を11断面で撮影しています。最終的に同じグレードの胚盤胞になったとしても、発生の過程でどの様な受精、分割をした胚盤胞かにより、移植した後妊娠率に大きな差が出ることがわかっています。胚によっては最終的なグレードよりも分割過程の方が大切ということにもなります。
更に、より流産しにくい胚を作る事が出来ます。胚の観察で培養庫から一切出さないで観察出来るため、培養環境を最適に保つ事が出来、その結果胚に対してストレスを一切かける事がありません。胚へダメージを与えない事で流産しにくい胚を作る事が出来ます。