「ERA」〜エラ〜子宮内膜着床検査〜について
ERAは、正確な着床ウィンドウを調べる検査です。通常、胚盤胞は排卵後(あるいは黄体補充開始後)5日目に子宮内に移植しますが、子宮内膜に受精卵が着床できる時間は短時間であり、その時期には個人差があり、より適切な時期に移植することで妊娠が可能になるのではないかという考え方です。2014年にスペインで発表され、多くの症例が蓄積されています。
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検査方法
ホルモン補充周期で移植する方法と同様に、月経の2~3日目からエストラーナテープを貼っていき、内膜が厚くなったところで黄体ホルモンを開始して5日後に子宮内膜組織を採取し、検査に提出します。ERA検査では内膜組織における遺伝子の発現を調べています。
結果とその後の移植スケジュールについて
Receptive
着床ウィンドウは、ずれていないため、ERA検査と同様のホルモン補充周期で次回以降も移植する。
Pre-Receptive
まだ着床ウィンドウが開いていないため遅らせて移植する。例えば、P+6という結果なら黄体ホルモンを始めて6日後に移植する。
Post-Receptive
着床ウィンドウが閉じた後のため、早めに移植する。例えば、P+4という結果なら黄体ホルモンを始めて4日後に移植する。
2回目のERA検査について
Pre-Receptive, Post-Recepriveであっても、もう一度指示された時期(例えば黄体ホルモン開始してから6日後)に内膜の検査(2回目のERA)をするよう勧められる場合があります。
これは、着床ウィンドウがずれていることはわかりましたが、1回目の検査では確定的なことは言えないためにもう一度黄体ホルモン開始をずらした時期の内膜を調べることで、適切な移植の時期をしっかり判断しようというものです。
具体的な検査の流れについて
- 月経の2~3日目に来院、エコー検査とホルモン検査の結果により、ERA検査周期に入れるかを判断します。問題なければエストラーナテープ(あるいはジュリナ)を開始します。
- 月経12日目頃、エコー検査とホルモン検査で子宮内膜が厚くなっていること、ホルモンの値が問題ないことを確認し、ERA検査の日程を組みます。検査の5日前の昼12時にプロゲステロン腟剤(あるいはほかの黄体ホルモン剤)を開始、翌日からは寝る前に使用します
- 検査当日は13:30に来院し、採血とエコー検査を受けていただきます。エコー検査で子宮内膜が6.5mm以上あれば検査可能ですので、検査会社に提出する同意書を記入していただき、14:00に内膜採取となります。当日の内膜が薄い場合は内膜組織が十分に採取できない可能性があるため検査は中止となります。結果が出るまでに約2週間かかるため、検査終了後ピルで月経調節を行い、結果が出る頃に月経が来るようにします。
- 次の月経2~3日目に受診、ERA検査の結果により、移植周期か2回目のERA検査周期に入ります。
ERA検査後の移植について
検査したときの時間を正確に再現するため、ERA検査の時と同じホルモン補充周期で、同じ時間帯に移植を行います。
なお、ERAの検査結果には±3時間は、ずれていても問題ないと書かれていますが、当院では±1時間で移植するようにしています。
費用(税込)
1回目のERA | 2回目のERA |
---|---|
165,000円 | 143,000円 |
Q&A
- どのような人が検査の対象ですか?
- 良好胚(3BB以上)を2回以上移植しても着床しない方(化学流産含む)にお勧めの検査ですが、高齢の方で凍結胚が少なく、一度もチャンスを無駄にしたくないという方にもお考えいただきたい検査と思います。
- 自然周期でのERA検査は可能ですか?
- 可能ですが、自然周期での排卵の場合、排卵時刻の特定が困難です。
- 同じ日の排卵でも朝8時の排卵と夜8時の排卵では12時間も差があることになり、ERA検査でP+4.5(着床ウィンドウが12時間ずれているため、検査した時期より12時間早く移植)という結果が返ってくる方もいることから再現性の正確さを考えるとお勧めしません。この検査をしているアイジェノミクスという会社もホルモン補充周期を勧めています。
- ERA検査をしたらすぐに妊娠できますか?
- 着床ウィンドウは合っていても、胚の染色体異常などが原因で妊娠に至らないこともあります。
- 一度検査をしたらずっと結果は有効ですか?
- 体重増減がERA検査の結果に影響すると言われています。
- BMI(Body Mass Index)が変わらなければ3~4年有効のようです。
- 凍結保存しているのが初期胚だけですがERAを受けた方がよいですか?
- ERA検査は胚盤胞移植を対象とし、着床ウィンドウのずれがないかを調べますが、その結果を初期胚移植に適用することができます。
- 例えば、3日目に凍結した初期胚なら、ERA検査でP+6という結果が出た場合、黄体ホルモンを開始して4日目(従来よりも1日遅く)に移植します。
ERA検査を受けた患者様からの声
約1年5ヶ月間、お世話になりました。
先生、看護師さん、受付スタッフの方、多くの方々のサポートを受けて無事にクリニックを卒業することができました。
私は着床障害があり、17年間妊娠できませんでした。町田先生の勧めでEra検査を受けたことで、結果を出すことができました。もし、着床障害で悩んでいる方がいましたら、検査をすぐに受けることを勧めます。
数ヵ所のクリニックを転々としましたが、両角レディースクリニックはスタッフが皆親切でした。
つらい治療でしたが、辛さが軽減されました。皆さん、本当に優しいのです。何より、結果がすべてである不妊治療で、卒業できたことはとても嬉しいです。これから出産に向けて頑張ります。無事に生まれたら、写真送ります。本当にありがとうございました!!