人工授精(AIH)について
AIH の適応
- 乏精子症(濃度2千万以下)、精子無力症(運動率が50%以下)
- 射精障害、性交障害、逆行性射精
- 頸管粘液不良、フーナーテスト不良、抗精子抗体陽性
- 機能性不妊(原因不明)
- 夫の長期不在(単身赴任など)
AIH のタイミング
卵管内における精子の生存期間は3日間程度。排卵後の卵子の生存期間はMAX1日。これよりAIHのベストタイミングは排卵2日前~排卵直後となります。
精子調整法について
精液には細菌が含まれており取り除く必要があります。また死滅精子を除去して成熟した精子を選別する必要があります。調整方法には以下の2通りの方法があります。処理方法で妊娠率には差が無いという報告があります。
- 密度勾配を利用する方法-Percoll法
- Swim up法
AIH 実施方法
カテーテルには複数のものがあります。ソフトタイプ、ハードタイプとあり、まずはソフトタイプを用いて入らない場合にハードタイプを用います。事前に経膣エコーにて子宮の傾き角度を確認したのち、慎重にカテーテルを頚管内に挿入します。この際出血しないようにゆっくり挿入します。出血させると妊娠率が低下します。またゆっくり注入することで痛みも抑える事が出来ます。
AIH の成績
AIHのみでは4~10%、クロミッド(セロフェン)とAIHで8~13%、排卵誘発剤の注射とAIHで13~18%との報告があります。施行回数は5~6回で累積妊娠率は頭打ちとなります。 調整後の総運動精子数が500万以下では妊娠率が著しく低下します。
AIHのデメリット
患者様の状態によっては、管が入りにくいことから子宮の入り口付近で痛みを感じることもございます。
また下記のような可能性もございます。
・体外受精と比較すると成功率が低い。
・子宮が炎症を起こす可能性がある。
・排卵誘発剤を使用することで多胎妊娠や卵巣過剰刺激症候群になる可能性がある。
AIH の費用
33,000円(税込)
※自費診療