当院の排卵誘発について
当院の排卵誘発は、下記をもとに一人一人に適した刺激方法を計算して、根拠に基づき提案していきます。
- 卵巣年齢であるAMH
- 生理中の採血(FSH、E2、LH、PRL)
- 生理中の胞状卵胞数
- 生理周期
- 過去の誘発結果
- 年齢
- 前回の刺激からの間隔
クリニックとして毎回どなたにも同じ方法をとると言う事は決して無く、一人一人の卵巣の予備力に対してその周期毎に当院が合わせると言う形をとっております。
そのためアンタゴニスト法、ロング法、ショート法、自然周期、低刺激のいずれにも対応できるように薬剤も全てそろえております。
「良い卵をいかに多くとる事が出来るか」、これが最も大切と考えています。
最適な卵巣刺激方法
- 「自然周期が良いですか?」
- 「低刺激法が良いですか?」
- 「刺激した方が良いですか?」
この様な質問を良く受けます。この答えとしては、低刺激が良いとか、ロング法が良いとか、そういう事ではなく、「その人に合った方法を選ぶ事」が答えだと思います。
例えば、以下のようなケースは少し疑問と言えます。
①若くて、AMHが高く、前胞状卵胞がたくさん見え、少し刺激したらたくさん採卵出来るけど、刺激の副作用が心配なので、毎月自然周期で1個づつ採卵して行く方法。
これでは妊娠する確率、時期を遅らせてしまいます。一つしか採れないと色々なリスクがあります。卵が成熟していないかもしれない、受精しないかもしれない、分割しないかもしれない、胚盤胞にならないかもしれない。
②高齢で、AMHが低くて、前胞状卵胞が数個しか見えなくて、刺激しても採れないにもかかわらず、一律でロング法を行いたくさん刺激をしてしまう事。
これは卵巣への負担を増やすだけで結果が伴いません。採れない場合は低刺激法にすべきです。
全員が一律の方法では意味がありません。また早く妊娠出来るのに、自然を強調するのも確率を下げていると言えます。体外受精は非常に辛く、また痛く、ストレスもとても大きいので、なるべく早く妊娠すべきです。また健康な人に対しての治療なので、卵巣過剰刺激症候群になりつらい副作用が出てしまう事も問題があります。
副作用が出ない範囲で、その人にとって妊娠の確率を出来るだけ上げる方法を選ぶ事が大切と言えます。
そのため全員が自然周期が良いとか、全員が刺激した方が良いとか、こういう事を議論する事がナンセンスと言えます。
全員が同じ刺激方法は、病院としては治療を簡素化できるので楽かもしれませんが、患者サイドに立った治療とは言えません。
年齢、AMH、FSH、胞状卵胞数、過去の治療結果、生理周期等から卵巣機能を正確に評価し、その上で客観的なデーターに基づき、その個人個人に最適の治療方法を選択する。これに尽きます。